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私たちは、直鎖状ユビキチン鎖による
シグナル伝達・細胞死制御、
細胞の鉄感知機構などの
オリジナルな発見の展開、
新たな発展を目指しています。

京都大学大学院医学研究科
細胞機能制御学 教授
医学博士 岩井 一宏
Kazuhiro Iwai, M.D., Ph.D.
Professor

Molecular and Cellular Physiology
Graduate School of Medicine Kyoto University

2012年に京都大学に研究室を構えてからかなりの年月が経ちました。幸いなことに、多くの若い俊英たちと楽しく研究を推進することができており、大変ありがたく思っています。

私たちの研究の特徴は「科学的に大事と思われる命題を見つけて解明する」点だと思います。純粋な生化学的な問題の解明を進める過程で、直鎖状ユビキチン鎖と同ユビキチン鎖を特異的に生成するLUBACユビキチンリガーゼを発見して、その研究を続けています。

直鎖状ユビキチン鎖は私たちの想定を遙かに超え、炎症応答制御などに重要であることが判っています。私たちの手で、その生成異常が免疫不全、自己炎症性疾患、悪性腫瘍等の疾患発症に寄与することも示すこともできました。また、感染防御にも重要で、いくつかの病原微生物は直鎖状ユビキチン鎖の機能を抑制する毒素を持っています。今や、私たちの研究室はユビキチンではなく、炎症制御を介した免疫疾患、悪性腫瘍、感染制御を研究する研究室に変貌しています。

この変貌は臨床医としてキャリアをスタートした私にはとても嬉しいことです。これからは研究室の若手と臨床各科の先生方が一緒になって、京都大学発の新たな知見を発信していく場を提供できればと思っております。

もう1つの研究の主軸は鉄代謝・動態の研究です。1993年の米国留学を機に着手しましたが、あまり大きな注目は集めていませんでした。しかし、近年では鉄依存的な細胞死であるフェロトーシスが発見されるなど、鉄は注目を集めています。ただ、まだまだ見落とされている点が多い未開の研究分野ですので、私たちらしい視点から研究を進めています。

私どもの研究室の研究内容はこのホームページに記載しています。1人でも多く私たちの研究に興味を持って戴き、研究室に加わってオリジナルな視点から研究を推進していただきたいと思います。

自ら考えることのできる「論理的思考力」、自ら行える「勇気」と「責任感」を持った研究者が1人でも多く巣立ってくれる様に努力したいと思っています。意欲を持った若い方々の参加を心から待ち望んでおります。

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